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NGC 1277は、ペルセウス座の方向に地球から2億2000万光年離れた位置にある小さなレンズ状銀河である〔〔。 NGC 1277の中心部には、2012年になって太陽の170 ± 30億倍という超大質量ブラックホールが発見された〔〔〔Giant black hole could upset galaxy evolution models ''Max-Planck-Institut für Astronomie'' 〕〔Found: A Supermassive Black Hole That Dominates Its Galaxy Read more: Found: A Supermassive Black Hole That Dominates Its Galaxy - Popular Mechanics ''Popular Mechanics'' 〕。質量は恒星の動きから推定された。これは、活動銀河であるOJ 287の181億''M''☉(180億''M''☉+1億''M''☉の連星系)に次いで重いブラックホールである。また、銀河系にあるいて座A *のブラックホールの400倍も重い〔。ブラックホールの直径(シュヴァルツシルト半径の2倍)は1020億kmにもなり、これは海王星軌道の11倍、冥王星の遠日点距離より7倍も大きい。なお、質量は非常に重いが直径も大きいため、事象の地平面付近の重力は地球の88倍、平均密度は1m3あたり61gと、恒星質量ブラックホールと比べれば低い値を示す〔例えば☉の14.8倍の質量を持つはくちょう座X-1の場合、事象の地平面付近の重力は1000億倍、平均密度は1m3あたり84兆tとなる。〕。 ブラックホールはNGC 1277自身の質量である1200億''M''☉〔の14%の重さを持つが、典型的な銀河で中心部の超大質量ブラックホールが占める質量の割合が0.1%の関係にある事を考えると、割合が非常に大きい〔〔〔。ちなみにバルジ部分だけでは59%にもなる〔〔。この割合は、NGC 4486Bの11%を上回る、観測史上最大の割合である〔。NGC 1277は、直径・質量共に銀河系の10%程度の大きさしかない小さな銀河であり〔〔、それが銀河系の400倍という巨大なブラックホールを有するのは謎である〔。巨大なブラックホールの重力の影響で、NGC 1277は非常にコンパクトにまとまっており、その進化も早かったと考えられている〔〔。このような質量の割合を持つ銀河の候補が、NGC 1277以外にも5つ発見されているが、これらは詳細な画像を待たねばならない〔。いずれにしても、NGC 1277の存在そのものが、銀河と中心部の超大質量ブラックホールの質量割合が大幅にずれており、これは従来の銀河の形成論からは考えられないものであり、もし他の候補も似たような割合を持つとなれば、銀河の形成論を根本的に見直さねばならなくなる〔。 == 関連項目 == * NGC 4486B * NGC 4889 * OJ 287 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「NGC 1277」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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